2020年11月 第455号 「主は嵐の中から」

「主は嵐の中からヨブに答えて仰せになった」(ヨブ記38章1節)

 

ヨブは、自分の知らない理由ですべてのものを失い、自分自身も耐えられないような重い皮膚病で苦しみます。

彼を慰め励ましに来た友人たちは慰めるどころか、「お前がそんな目にあうのは、罪を犯したからだ」と言ってヨブを苦しめました。

友人から非難され、苦しむヨブは、神様にその答えを求めました。

口語訳聖書では、前記のみことばの前に「この時」と記されています。ヨブがその答えを直接神様に求めた時、神様は嵐の中からヨブに答えられたのです。

私たちは、自分ではどうすることもできないような人生の嵐に出会うことによって、自分の弱さ、自分の本当の姿に気づかされます。そしてそんな時にこそ神の語りかけを聞くことができるのです。

ヨブは自分のいきどおりを神様に訴えたのは、本当は神様によって毎日生かされていることに気づいていなかったからです。ヨブは自分の力で正しい生活をしているとうぬぼれてたので、神様はヨブは本当はどんな人間であるかを分からせるために、嵐の中から語られたのです。

神様は2節から「これは何者か」とヨブに答えておられますが、ヨブの苦しみの答えを語らず、答えにならない答えを持ってヨブに答えておられます。

私たちも人生の中で「なんで?」と思うようなことを体験しますが、それは本当の自分の姿を知り、それでもなお愛し、生かしてくださる神の愛に気づくためなのです。