2018年5月 第425号 「惜しみなく与える愛」
イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。(ヨハネによる福音書19章26-27節)
イエス様がつけられた十字架のもとに、母マリアとその姉妹(ゼベダイの妻サロメ=マルコ15・40、弟子のヤコブとヨハネの母=マタイ27・56)がいました。マリアがイエス様を初子として主にささげるためエルサレムの神殿に行った時、聖霊に導かれて近づいて来たシメオンがイエス様を抱き、神様をほめたたえました。そして、「あなた自身も剣で心を刺し貫かれます」(ルカ2・35)と予告したとおり、十字架につけられたイエス様を見上げるマリアの心は、言葉に言い表わせない悲痛で引き裂かれていたことでしょう。
イエス様は心身ともに耐えられないような十字架刑の激痛の中で、ご自分が父なる神のみもとに帰った後の母の生活をご心配なさって「愛する弟子」のヨハネに託されたのです。ヨハネ(ヨハネによる福音書の筆者)はイエス様の言われたことに忠実に従い、マリアを引き取り、自分の母として仕えました。
愛とは惜しみなく与えることです。マリアは母として愛するイエス様を父なる神様にささげました。イエス様はその愛のゆえにすべての人に命を与えてくださいました。ヨハネはそれに答えて生涯をイエス様にささげました。
私たちはイエス様に何をささげることができるでしょうか。