2021年3月 第459号 「神とその恵みの言葉とに」

そして今、神とその恵みの言葉とにあなたがたをゆだねます。この言葉は、あなたがたを造り上げ、聖なる者とされたすべての人々と共に恵みを受け継がせることができるのです。(使徒言行録 20章32節)

 

クリスチャンを迫害するためダマスコに急いでいたパウロは途上で復活されたイエスに心を捕えられ回心し、宣教師として召されました。

そして、小アジア地方を三回も巡回伝道して、いくつもの教会を形成しました。彼はキリストの福音(イエスの十字架の死と復活)を伝えるために殉教を覚悟していました。「主イエスからいただいた、神の恵みの福音を力強く証しするという任務を果たすことができさえすれば、この命すら決して惜しいとは思いません」(使20・24)とあるとおりです。

使徒パウロは、エペソの教会の長老たちとの別れの挨拶の中で語っているのが冒頭の言葉です。自分がいなくなった後の教会の兄弟姉妹、牧会伝道のすべてのことを「神とその恵みの言葉」にゆだねる。なぜなら、神の言葉は生きており、力があり、キリスト者一人ひとりを造り上げ、整え、神の恵みを受け継がせることができるからです。

「聖書はすべての神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です」(Ⅱテモ3・16)。また、「神の言葉は生きており、力を発揮し、どんな両刃の剣よりも鋭く、精神と霊、関節と骨髄とを切り離すほどに刺し通して、心の思いや考えを見分けることができるからです」(ヘブ4・12)とあります。神の言葉を心にたくわえましょう。