2016年10月 第406号 「人の愛が冷える」
「不法がはびこるので、多くの人の愛が冷える。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。」(マタイによる福音書24章12、13節)
イエス様は、ご自身が再び来られる世の終りの時、どんな徴(前兆)があるのですか、という弟子たちの質問に答えて、「私の名(救い主)を名乗る者が大勢現れ、多くの人を惑わす。戦争の騒ぎやうわさを聞く。民は民に、国は国に敵対して立ち上る。方々に飢饉や地震が起こる。クリスチャンが迫害される。偽預言者が大勢現れるなど(5~11節)と語られた後、最後に「人の愛が冷える」と語られています。
今、私たちが生かされているこの世の社会を見ると、この言葉を実感せざるをえません。
親殺し、子殺し、兄弟殺し、縁もゆかりもない人を殺す、集団リンチによる殺人。ネグレクト(育児放棄)。夫婦関係の破綻など、これらはすべて人の愛が冷えたことが原因でしょう。
なぜこんな時代になったのか。専門家はいろいろと説明していますが、結局は人々が「自分自身を見失っているから」と言えます。これは裏を返せばすべての人が「真の愛」を求めていると言えるのではないでしょうか。
もともと真の神に背いた私たちに真の愛はなく、「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛して、私たちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります」(Ⅰヨハネ4・10)とあるように、自分の背信の罪を悔い改め、御子イエス様を救い主と信じ、神の愛を体験して初めて周りの人々を愛することができる者と変えられるのです。