2014年6月 第378号 「必要な糧」
「イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた」(マルコ福音書6章34節)
五つのパンと二匹の魚で、五千人もの人の飢えを満たされたイエス様の御業は四福音のすべてに記録されています。その動機は、飢えた人々に対する「深い憐れみ」です。
私たちが生きてゆくためには、物理的(食物、衣類など)必要と霊的必要があります。この御業は「何を食べようか何を飲もうか、何を着ようかと思い悩むな」(マタイ6・25)と言われたイエス様が、私たちの物理的必要にも心を留めてくださっていることを示しています。
また、「いろいろと教え始められた」とありますが、これはイエス様が物理的必要よりも霊的必要の方が、もっと重要であることを教えようとされたことを示しています。ヨハネによる福音書ではこの御業の後、イエス様が「わたしは、天から降って来た生きたパンである。このパンを食べるならば、その人は永遠に生きる。わたしが与えるパンとは、世を生かすためのわたしの肉のことである」(ヨハネ6・51)と言われています。イエス様は背信の罪のために死んでいた私たちの身代わりとなって十字架に命をささげてくださいました。この事実を信じることによって「永遠の命」が約束されています。
この恵みを体験したクリスチャンは「あなたが彼らに食べ物を与えなさい」(マルコ6・37)とのイエス様のご命令に従い、物理的、霊的に必要としておられる、周りの人々を援助するために出て行きましょう。