2013年3月 第363号  「人が死ねば?」

 キリストは死者の中から復活した、と宣べ伝えられているのに、あなたがたの中のある者が、死者の復活などない、と言っているのはどういうわけですか。   (Ⅰコリント 15・12)

 イースター、おめでとうございます。

 ヨブは「人がもし死ねば、また生きるでしょうか」(ヨブ記14・14口語訳)と問うています。これはすべての人を代表する質問でしょう。どんなに多くのお金を積んでも、知恵を尽くしても、どうすることもできないのが死、私たち最大の敵が死です。

 ところが聖書は「しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました」(Ⅰコリント15・20)と明言しています。初穂とは麦畑の中で最初に刈る穂です。つまり、キリストは死者の中の初穂として復活されたのであり、人ごとではなく、私たち一人ひとりと関係のある出来事、歴史上の事実なのです。「死者の復活がなければ、キリストも復活しなかったはずです。そして、キリストが復活しなかったのなら、あなたがたの信仰も無駄です」(同15・13-14)。また、キリストが復活しなかったのなら、復活しなかったキリストを神が復活させたと証しすることは、神に対して偽証人になるとも言っています(同15・15)。

 キリスト教は、キリストの私たちの背信の罪を贖うための十字架の死と死を打ち破った復活にかかっています。

 「イエスは言われた。『はっきり言っておく。私の肉を食べ、私の血を飲む者(イエスの十字架の購いを信じる者)は、永遠の命を得、私はその人を終りの日に復活させる』」(ヨハネ6・53、54)と約束してくださっています。