2013年9月 第369号  「もう泣かなくともよい」

 主はこの母親を見て、憐れに思い、「もう泣かなくともよい」と言われた。 (ルカによる福音書7章13節)

 

   避けられない死

 イエス様の一行は、ナインという町に近づかれた時、一人息子を亡くした母親(やもめ)の葬儀の列に出会いました。

 夫に先立たれ、一人息子を亡くした女性にとって、当時のユダヤの国では家系が途絶えてしまうことは不名誉なことでした。それだけでなく、女性が一人で残されるということは、経済的にも生きてゆく上で、はかり知れない重荷と不安を背負うことでした。

 私たちもいろいろな不安や恐れと戦いながら生きていますが、その最も根本的な原因として死に対する不安や恐れが私たちの意識の底にあるからです。仏教でも「四苦八苦」、四苦(生・老・病・死)という言葉があります。

 

   死からの解放

 イエス様はこの母親を見て、憐れに思い(断腸の思い)、「もう泣かなくともよい」と言われ、そして、棺に手を触れ「若者よ、あなたに言う。起きなさい。」と言われました。すると、一人息子は生き返り、母親の手に返されました(同13‐15節)。

 ある時、ベタニヤ村のラザロが重病の時、「この病気は死で終るものではない。神の栄光のためである。」(ヨハネ11・4)と言われ、死後四日も経ってから生き返されました。

 私たちの身代わりとなって十字架で死に、三日目に眠っている者の初穂として復活されたイエス様は、私たちを罪と死の束縛から解放してくださった命の主です。あなたにも「もう泣かなくともよい」と言ってくださるのです。