「イエス・キリストの系図」
2016.12.25. クリスマス礼拝
マタイ 1:1-16(P1) 「イエス・キリストの系図」
家長制度
▽イスラエル社会の基礎となる家族の単位は「父の家」で、家族は集合住宅に共に住み、土地を共有し、力を合わせて農作業をし、収穫を分かち合いました。
▽家長(父)は、絶対的権威をもって家族を支配し、長男がそれを受けつぎます。そして、家と土地を守ることは、家族の生死にかかわる重要なことでした。
▽だから、律法には「レビラート婚法」があり、「やもめやみなしご」を手厚く保護すること、土地の譲渡についても、厳しい定めがあるのです。
四人の女性の名
▽ユダヤ社会の系図に女性の名前は載せないのです。だから、イエスの系図の中に女性の名前があるだけでも、驚くべきことなのです。しかも――
▽この四人の女性は、ユダヤ人社会の普通の女性ではないのにです。
・タマル〈3〉。レビラート婚を守らなかった義父ユダとの間に双子(ペレツとゼラ)を〈創38〉。
・ラハブ〈5〉。エリコに遣わされた2人の斥候をかくまった遊女。ボアズの母〈ヨシュ2、6〉。
・ルツ〈5〉。モアブ(ロトの姉娘の子の子孫)の女。マフロンの嫁。オベドの母〈ルツ〉。
・バト・シェバ〈6〉。ダビデの家臣ウリヤの妻。ダビデの子ソロモンの母〈サム下11〉。
福音はすべての人に
▽イスラエルの人々は、メシヤがアブラハムの子孫であり、ダビデの子孫であるという約束を信じ待ち望んでいました。この系図はイエスがその人である証明です。
▽そして、4人の女性の名が記されていることが、イエスがユダヤ人だけではなく、すべての人(異邦人、罪人、汚れた人、女性、子ども)の救い主である証明です。
イエスは「失われたものを捜して救うために来た」救い主です〈ルカ19:10〉。